そんなわけで

高校サッカーの話を少しだけ。
実は全然見てなかったのですよ。今年は。見たのは今日の決勝だけです。
だから、野洲が凄いと言われてもイマイチだったのです。まぁ、鹿実が勝つだろうと思ってたのですよ。
で、今日見ました。いや良いね。選手が考えてサッカーをしてるって良いね。
監督がサッカーを知らなかったのがポイントだろうなぁと。型にはまってないというか。
高校サッカーっていうのは形があるわけで。監督にもよるんだけど基本的には「フィジカル重視」「テクニック重視」の2種類かな。
で、選手権常連高の監督って言うのは実績を買われて高校に雇われてる人が多いのです。だからどういうサッカーが選手権で勝てるかを知ってるわけです。
で、今まで選手権を勝ち上がってきてるサッカーの形で一番多いのがフィジカル重視のサッカー。俗に言う体育会系。
なんだかんだ言って理不尽な点があるのがサッカー。どんなに上手くても選手を起用するのは監督です。
まぁ、プロにでもなれば観客も増えるので上手い選手は出すしかありません。が、高校サッカーは違います。
人の目に触れるという機会が少ないので選手の実力など把握しきれません。ましてや2軍で試合に使われない選手の実力なんて知る由もないです。
しかし、その中にも上手い選手ってのが居るわけですよ。周りに知られていないだけで。
で、なぜ上手いのに使われないのか。簡単に言うと監督に嫌われてるからです。そういうパターンばかりではないですが。これが多いのも事実です。
監督によって嫌いなタイプはわかれるんですが、「テクニックがある選手」と「運動量が豊富な選手」の2タイプが居るとします。
そうするとフィジカル好きの監督は当然後者を選びます。凄く簡単ですがコレが多いです。
現代サッカーの上手いと古いタイプのサッカーでの上手いは違います。それが単純にわからない監督が多い。
常連高の監督ってのは昔から変わらないわけです。その人が連れってってるので。
で、選手権に出れる=自分のやり方は正しいと考える古い人たち。正直このタイプが多すぎるわけです。
それが近代サッカーだと通用しなくなってきてるわけです。で、今回の野洲ですよ。
野洲の監督はサッカーを知らなかったそうです。野洲の監督をひきうけてから勉強をしたらしいのですが。それが良かった。
常連高の監督とは違い現代サッカーしか知らないというのは強みになります。まぁ、普通考えたらキャリアが短いから不利みたいなことを言われるんでしょうが。
現代サッカーしか知らない人っていうのはソレが凄いと思うわけですよ。今のサッカーはその形なんだから。
そうするとそのサッカーを教えるわけです。当然教え方なんてわからないでしょうが。ボールを使うことぐらいは誰だってわかります。
で、どうしたら出来るかな?って疑問を抱くわけですよ。新米監督はソレを考えることができます。強みです。
そしてソレを実行します。イマイチだったら次に。また次に。自分のやり方が一番だと思っている常連校の監督とは違いいくらでも良くなります。
まぁ、この説明だけだとどうして監督で差が出たのかわかりづらいので簡単に説明します。
夏の合宿で1週間ボールに全く触らせてもらえないチームとその1週間ボールに触り続けたチームではどちらが有利か。
こう考えたときにサッカーはボールを使うスポーツなので間違いなく後者が有利なわけです。
で、今回の後者は野洲だったわけで。フィジカルも多少はやったでしょうが、基本的には練習中はボールを触り続けてたらしいです。
更に言うと、ドリブルをしたってフィジカルは伸びます。パス練習だってフィジカルは伸びます。
ボールを使った練習ばかりっていうのは別にテクニックだけをつけるわけではありません。
判断力や反射神経。そういった試合勘みたいなものも自然とついてくるわけです。
しかし、走りこみだけだと何が伸びるか?と考えると。結局のところ根性とフィジカルだけです。
それが今回の決勝で出た差だと。何だかんだで野洲の選手のが延長に入っても元気でした。